Caseプレミアム優待倶楽部導入事例

掲載日時:2025/7/25
取材日:2025/3/26

初年度7万人登録・応募5倍!株主管理・情報発信を一元化

50万人近いの個人株主様をいかにして大事にするかを軸に活動を続ける日本航空株式会社。さらに充実したコミュニケーション創造のためにさまざまな不便を解消したいと模索の末、2024年度から「プレミアム優待倶楽部」を導入されました。導入の決め手は何だったのでしょうか。総務部 総務グループの次田様と三浦様に伺いました。

お話をうかがった方
日本航空株式会社
  • 総務本部 総務部 総務グループ
  • 統括マネジャー(株式・開示担当) 次田様
  • アシスタントマネジャー 三浦様
課題
  • ■既存の個人株主との接点が株主総会や郵送物に限られ、SR活動として不十分
  • ■優待券配布や情報発信が紙・複数ツールに分散し、利便性・管理効率が低下
解決策
  • ■株主管理・優待・情報発信機能を「プレミアム優待倶楽部」に統合しデジタル化
  • ■他部門・グループ会社とも連携し、個人株主との多面的な接点を創出
効果
  • ■約1年で7万人超が会員登録、効果的なプッシュ型情報配信基盤を構築
  • ■株主向け工場見学の応募数が5倍に増加、サービス連携でグループ売上にも寄与

既存株主を大事にしたいが、既存の仕組みでは不十分

――個人株主様向けの活動内容と、その中で課題だったことを教えてください。

次田様:
当社では機関投資家様対応をIR部門が、個人株主様とのコミュニケーションを総務部が担っています。新規の個人株主を増やすというよりは、2011年の再上場から増えてきていただいていた既存の株主様を大事にしようという考えの元で活動をしています。

ただ私が着任した2021年ごろは、個人株主様との接点は株主総会と、年2回、株主優待券送付時に同封する『株主の皆様へ』という冊子だけ。株主総会時に株主さま専用サイトを立ち上げたり、メルマガでの情報配信なども行っていましたが、インターフェイスやツールが複数にわたり株主様にとっても、情報発信する私たちにとっても使い勝手が悪い状況でした。

個人株主様へのSR活動を行うには既存の仕組みでは不十分という認識が強く、個人株主様おのおのにカスタマイズした情報をプッシュ型でお届けできる仕組みを模索し始めたのが2022年でした。

一方、印刷した株主優待券を紛失したという問い合わせが少なくなく、航空券の電子化が進む中で割引優待券が印刷物である点も、株主様の利便性を鑑みて課題となっていました。

複数のコミュニケーションツールを一元化。拡張性の高さが決め手

――プレミアム優待倶楽部をどのようにしてお知りになったのでしょうか。

次田様:
2022年の秋ごろ、ある展示会でプレミアム優待倶楽部を知りました。その頃は「まずは株主優待券の電子化を」と考えていたので相談をしたところ、電子化はもちろん、私たちの要望通りの株主さま専用サイトを作れることが分かったのです。

株主様との複数のコミュニケーションツールを1つにまとめ「そこを見ればJALの株式関係の情報がすべてそろっている」という場を作りたかった私たちに、とてもフィットするパッケージサービスだと思いました。

――そのフィット感がプレミアム優待俱楽部導入の決め手ですね。具体的にはどのような点がフィットしたのでしょうか。

次田様:
それまで利用していた株主さま専用サイトはバーチャル株主総会の配信プラットフォームがベースだったため、新たなコンテンツを配信するためには新たにWebサイトを作ってリンクさせるほかありませんでした。

対してプレミアム優待倶楽部は、例えばオウンドメディアのように記事コンテンツを増やすことも、株主様にアンケートをとることもでき、とても拡張性が高いと感じました。そのため、これまで別々の方法で行っていた株主様向けの工場見学の受付や、ご意見・ご要望を承る機能をまとめることができ、情報発信の場を一元化できました。

また、プレミアム優待倶楽部では株主様ご自身がメールアドレスなどの連絡先、属性を登録する仕組みになっています。そのため属性をセグメントして情報を配信したり、個人ごとの情報を届けることができる。株主優待の電子化サービスを行う会社はいくつもありましたが、この“マイページ”の概念が他とは全く違いました。株主様とのコミュニケーションツールとしてこれほど強力なものはないと感じました。

三浦様:
他のサービスは株主様がサイトまで情報を見に来なくてはならないプル型ですが、プレミアム優待倶楽部ではプッシュ型で情報を届けられる点も、私たちが求めていた仕組みそのものでした。

――プレミアム優待倶楽部の導入にあたりハードルはありましたか?

次田様:
「Webサイトを作る」という意味で苦労はありませんでした。むしろ私たちからの大まかな要件定義を元にウィルズさんが細かい点を詰めてくれたので、安心して進めることができました。

手間がかかったのは、スケジュール調整や外部とのシステム連携だったと記憶しています。例えば、電子化した旅行割引の優待と、当社のマイレージを扱うJALマイレージバンクのデータベースとプレミアム優待倶楽部をデータ連携させるための決まり事を整備したり、細かい文言の統一を行ったりといったことです。ただ、そういった細々とした部分までもウィルズさんがサポートしてくださったので助かりました。
(株主優待・イベント管理・決算情報などを一元化した『JAL株主様専用サイト』)

初年度7万人登録、株主応募数は6,000件に急増

――プレミアム優待倶楽部導入後、株主様との関係に変化はありましたか?

次田様:
2024年5月に「JAL株主さま専用サイト」のリニューアル版として株主様に紹介し、公開しました。それから約1年間で7万人強の株主様がプレミアム優待倶楽部に登録してくださっています。

登録してくださった株主様は、当社に対してより高い関心を持っている方々なのではないかと考えると、例えば証券会社様で行われる説明会よりも効果的に情報を届けることができるプラットフォームが出来上がったと感じています。

三浦様:
株主様向け工場見学の応募数も劇的に増加していますよ。数年前、ハガキでご応募いただいていた頃は年間600件弱といった応募数でした。その後、当社の企業サイトに応募ページを設けることで約2倍に増加しましたが、プレミアム優待倶楽切り替えた途端、応募数が6,000件ほどに跳ね上がりうれしい悲鳴を上げています。
また応募の当落について、従来は当選者だけへの通知でしたが、プレミアム優待倶楽部を導入したことで落選した方にも通知できるようになり、当落に関するお問い合わせが激減。株主向けイベント担当者の作業負荷も減り、プレミアム優待倶楽部導入の効果は絶大だと感じています。

――課題だった個人株主様との接点は増えていますでしょうか。

次田様:
新たなコンテンツの展開については検討中ですが、グループ会社や他部門で行っていた株主様限定キャンペーンをプレミアム優待倶楽部上でタイムリーに展開するなど、個人株主様との接点は確実に増えています。

三浦様:
先般、株主総会の招集通知を送るタイミングで、物販を担当する関連会社、株式会社JALUXが限定キャンペーンの物販案内を載せたところ売上が伸びたと報告を受けています。
また、株主優待とは別に株主様限定の旅行商品ページを用意。関連会社の株式会社JALパックが担当していますが、こちらも売上増とのことで、グループ関連会社も含めた個人株主様とのコミュニケーション機会が増加しています。

「JAL Life Status プログラム」とのサービス融合が実現

――今後はプレミアム優待倶楽部をどのように利用される計画でしょうか。

次田様:
まずは「使い倒す」ことですね。担当部のマンパワーと調整しながら、プレミアム優待倶楽部上に新たなコンテンツを増やしていきたいです。

三浦様:
応募数が急増したことで工場見学の回数も検討しなければなりません。リアルなイベントの新展開も検討したいです。

次田様:
個人株主様はJALのお客様という顔もお持ちですから、プレミアム優待倶楽部を利用することで株主様・お客様といった両面にアプローチして、株主様の体験価値向上につながる取り組みも行いたいですね。その活動はひいてはJALのファンを増やす取り組みにもつながると考えています。

すでに始めているのが「JAL Life Status プログラム」*との融合です。2024年1月に誕生したJAL Life Status プログラムは、JALグループ便の搭乗やライフスタイルサービスの利用に応じて、Life Status ポイントがたまる生涯実績プログラムですが、“個人株主様の議決権行使”がライフスタイルサービスの対象の1つになっています。実現できたのはプレミアム優待倶楽部を導入したからと言っても過言ではないのです。

私たちが株主優待券の電子化を検討している頃、他部門でJAL Life Status プログラムの構想が始まっていました。株主様とこのプログラムを紐づけるためには、株主様のマイレージ番号などの情報が必要でしたが、私たちがプレミアム優待倶楽部を導入することで課題が解決。株主様に良いサービスを提供できる相乗効果が生まれたと感じています。

*「JAL Life Status プログラム」はこちら

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