プレミアム優待倶楽部とは?一般的な株主優待との違いや活用方法を徹底解説

経営

個人投資家の株式保有メリットを高める施策として「株主優待制度」があります。野村IRによると、株主優待を実施している企業は調査開始以来増加傾向にあり、2019年は過去最高の1,532件を記録しました。2020年はコロナショックで減少に転じたものの、コロナ収束後は増加が見込まれます。

株主優待は個人投資家の長期保有を促して株価の安定化を図る以外に、自社のサービスや商品をPRできる機会にもなります。消費財を扱う多くの企業は、新商品を優待特典としていますが、BtoBビジネスや不動産、メディア運営などの企業は自社のサービスを優待にしづらい業種です。

「プレミアム優待倶楽部」は、独自の優待ポイントを付与して2,000種類以上の商品を交換できるサービスです。エステー株式会社や株式会社オールアバウトなど、多くの企業が導入しています。この記事では、プレミアム優待倶楽部と一般的な株主優待との違いや活用方法、どのような商品を取り扱っているのか詳しく紹介していきます。

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企業が株主優待で抱える課題

株主優待は個人投資家の長期保有を促すなどの効果が見込まれるものの、問題点も抱えています。どのようなものがあるのでしょうか。

株主優待にかかる費用

株主優待は会社法第454条等により、配当ではなく費用として処理することになっています。従って、貸借対照表上は株主優待引当金を負債として記載しなければなりません。また、損益計算書上は売上控除または販売費などとして計上することになります。

すなわち、企業にとって株主優待は負債、または費用の一部なのです。そのため、海外の機関投資家は特にこれを問題視することがあります。株主優待は機関投資家にとってのメリットがないに等しく、会社の業績に影響を与えるものだからです。

株主優待の廃止に伴う株価への影響

新型コロナウイルス感染拡大の影響などで業績が悪化し、株主優待を廃止する企業が出ています。その一つがエンターテインメント企業株式会社KeyHolderです。

株式会社KeyHolderは人気アイドルグループ乃木坂46やSKE48のキャスティングなどを行っており、バックステージツアーへの招待などを株主優待にしていました。しかし、その優待を2021年12月末で休止すると12月17日に発表。翌営業日の20日に株の売り圧力が強まり、前日よりも74円安い606円まで下落しました。更に21日には601円となって年初来安値を更新しています。

個人投資家は株主優待目的で株式を保有するケースも見られ、優待の廃止が株価の下落を招く可能性があります。

株主優待に関する法的論点

株主優待が法的な問題点をクリアしているかどうかも重要です。株主優待は以下3つに該当する恐れがあります。

  1. 株主平等原則
  2. 株主の権利行使に関する利益供与の禁止
  3. 配当規制等

1.の株主平等原則とは、株主を保有割合に応じて平等に取り扱わなければならないとするものです。特定の株主を優待するなどの行為はこの原則に違反する可能性があります。

2.について、会社法120条では、株主の権利行使に関して利益の供与を禁じています。役員選任について現職の取締役と対立する議案が株主から提出されている場合に、会社が議決権を行使した株主に500円分の金券を交付することは、利益供与に該当した裁判例(東京地裁平成19年12月6日判タ1258号)があります。この点には注意が必要です。

3.の株主優待制度は現物配当に該当する可能性があるため、分配可能額を配当にするという配当規制の対象にならないかどうかも問題です。ただし、株主優待は会社の事業上のサービスの一環にすぎないなどの理由により、現物配当には当たらないとの認識が一般的です。

プレミアム優待倶楽部とは

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プレミアム優待倶楽部とは、企業が設定する株主優待のサービスの一つで、「株主が株主優待品を選ぶことができる」ものです。プレミアム優待倶楽部に導入している企業は、株主優待として保有株数・保有期間に応じ「株主優待ポイント」を配布し、それを株主が利用すると多種多様な優待品を自分で選ぶことができます。

一般的に株主優待は各企業が優待品を設定し、保有株数や保有期間に応じて自社製品やサービス券などの優待品を株主が貰える仕組みですが、当然投資している企業の優待しか受けられません。

一方でプレミアム優待倶楽部では3,500種類以上の商品を株主が自由に選べるため、株主優待に興味のある潜在顧客を惹きつける“きっかけ”を作れます。そのため、新規顧客を開拓する戦略として最適なサービスです。

プレミアム優待倶楽部と一般的な株主優待との違い

プレミアム優待倶楽部は一般的な株主優待と何が違うのでしょうか。ここでは、プレミアム優待倶楽部の特徴やメリットを交えながら具体的な違いについて詳しく解説します。

保有株数に応じ株主優待ポイントが貰える

プレミアム優待倶楽部と一般的な株主優待の大きな違いは、「自分自身で優待品を選べるかどうか」です。

一般的な株主優待は、自社宣伝も兼ねて自社商品や自社サービスの優待券・割引券を貰えることが多いです。そのため、長期保有株主は、毎年同じような優待品を貰うことになるため、新しい発見がありません。

一方でプレミアム優待倶楽部では、3,500種類以上の対象商品から自分で選ぶことができます。例えば、旅行、体験、食品、電化製品など幅広いジャンルの中から、株主の好みに合わせて優待を受けられます。プレミアム優待倶楽部を利用すれば、株主は毎年の優待が楽しみになり、株主を飽きさせない工夫ができます。

プレミアム優待倶楽部を導入している企業

【株式会社ベクトル】
株式会社ベクトルはPRを主軸とする会社です。自社サービスを優待としづらく、プレミアム優待倶楽部を活用して個人投資家への株式保有のインセンティブを高めています。最低300株を保有する株主に対して、初年度3,000ポイント、2年目以降は3,300ポイントが付与される仕組みです。保有株式数に応じて進呈するポイント数が変化します。

ベクトルは200株以上保有する株主に3,000ポイントを付与していましたが、優待制度を見直し、2022年2月末日の株主名簿に記載されている株主から変更を実施します。このように、株主優待設計の自由度が高いこともプレミアム優待倶楽部のメリットです。
参考:株式会社ベクトル 株主優待情報

【ファーストブラザーズ株式会社】
ファーストブラザーズ株式会社は不動産投資などのアセットマネジメント、不動産アドバイザリーなどを行っています。株主優待はQUOカードを進呈していましたが、2020年8月にプレミアム優待倶楽部に変更すると発表しました。

1年以上継続保有を条件として、最低500株の保有で5,000ポイントを付与しています。1年未満の保有者は3,000株以上で5,000ポイントの進呈です。ポイントはAmazonギフト券、米沢牛、ブルゴーニュ赤白ワインセットなど、株主の好みに沿った商品を自由に選ぶことができます。
参考:ファーストブラザーズ 配当情報

【and factory株式会社】
アプリ開発を行っている新興企業です。1年未満でも200株以上保有すると1,000ポイントが付与されます。保有数が少なくてもポイントを進呈していることが特徴です。新興企業においては業績が安定しづらく、機関投資家からの出資も少ないことから、株価の安定が経営上重要な要素になります。市場からの資金調達がしづらく、TOBなどによって買収される可能性も高まるためです。

保有株数が少ない株主への優待メリットを高めることにより、長期保有のインセンティブとなります。その結果、株価の安定にも繋げることができます。
参考:and factoryプレミアム優待俱楽部

WILLsCoinを使用し優待品を自分で選べる

プレミアム優待倶楽部では、株主優待ポイントを共通株主優待コイン(WILLsCoin)と交換でき、「プレミアム優待倶楽部PORTAL」にて、バラエティーに富んださまざまな優待商品と交換することができます。

優待品と交換が必要なコインは各企業によって条件が異なりますが、2,000コイン程度で交換できる優待品があり、種類も豊富なのできっと自身が持っている保有コインに見合った優待品が見つかります。

もしも欲しい優待品を見つけたにも関わらず、必要なコインに満たない場合は「1WILLsCoin」=「1円」で不足分をクレジットカード払いにし、欲しい商品を手に入れることが可能です。
「あと少しの条件達成で商品をゲットできたのに…」という状況を防ぎ、積極的に優待を利用させることで、株主のサービス満足度を上げることができます。

3,500種以上の対象商品から優待品を選べる

プレミアム優待倶楽部は株主優待ポイントを使用することで、提携している旅行会社、百貨店などの各企業が取り扱う自社製品やサービスを利用することができます。交換対象の商品はなんと「3,500種類以上」と幅広いジャンルを網羅しています。

また、基本的に株主優待ポイントは3ヶ月程度の有効期限があるため、期限内に利用するのがスタンダードです。ただ、株主優待ポイントをWILLsCoinと合算することで、有効期限が3ヶ月〜1年間程度まで伸ばすことが可能なので、すぐにポイントを利用する予定がない株主はWILLsCoinに交換している方が多いです。

ポイント繰越制度による長期保有株主の創出

株主優待のポイント化によるメリットは、ポイント繰越制度による長期保有株主の創出ができる点です。

現在投資している企業の優待商品が必ずしもその株主に最適だとは限らないため、全国から集めた優待商品と交換できるサービスは株主のニーズを満たします。特に優待目的で投資している方にとっては大きなメリットです。また、今まで優待にあまり興味が無かった投資初心者や投資上級者まで、関心の目を向けさせることができます

また、プレミアム優待倶楽部では、基本的に3ヶ月の有効期限がありますが、WILLsCoinと合算すれば1年間程度まで伸ばせます。つまり、「株主に優待商品を自由に選べる選択肢の幅」と「ポイントの期限を延ばせる臨機応変さ」この2つのポイントに価値を感じる株主が多く、結果的にポイント繰越制度による長期保有株主の創出ができています。

プレミアム優待倶楽部の特徴

プレミアム優待倶楽部のポイントであるWILLsCoinの活用方法や、ブロックチェーン技術を使用した株主管理機能について詳しく解説します。

ポイント(WILLsCoin)について

株主優待ポータルサイト「プレミアム優待倶楽部PORTAL」では、各社株主優待サイトで保有している優待ポイントを共通株主優待コイン「WILLsCoin」と交換することで合算・集約できます。

この「WILLsCoin」はWEBサイト内で使用できる専用コインのことで、(1ポイント=1WILLsCoin)で使用でき、優待ポイント同士を合算することで、よりグレードの高い商品との交換ができます。

また、優待ポイントは保有株数や保有年数によって進呈ポイントが異なります。有効期限は最後の優待ポイントとの交換による獲得、及び商品交換による消費から1年間となっています。

株主管理機能について

株主管理機能とはプレミアム優待倶楽部の一機能であり、ブロックチェーン技術を活用したバーチャル株主総会運営サービスです。

例えば、インターネットを通じて株主総会の議論を試聴できたり、議決権行使又は会社法上の質問やその場での議決にも参加できます。従来の課題であった「本人確認の担保」がブロックチェーン技術を利用することで、株主番号毎の本人確認を担保した株主とのコミュニケーションが可能です。

また、「複数ある議決権の集計方法」も課題でしたが、株主総会前日までの複数行使結果の自動集計や当日開催分の集計を実用化し、株主管理コストの削減と株主との対話促進ニーズに対応した便利な機能です。

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プレミアム優待倶楽部の商品一例

プレミアム優待倶楽部の商品ジャンルは多岐にわたります。そのため、利用者の多様なニーズを満たすことで、戦略的なポイント設計による株主構成の最適化を実現できます。

優待商品の具体例として、大人気ゲーム機Nintendo Switchやダイキンの高性能エアコン、ロボット掃除機のルンバなどの家電製品や、北海道かにづくし1.35kg、但馬牛ローストビーフ、京鴨オードブル詰め合わせなどのグルメ、航空割引券や国内宿泊クーポンなどの旅行系など、幅広いラインナップから選択できます。

プレミアム優待倶楽部を利用して株主と継続的な関係を築こう

近年は株主優待を導入する企業の増加が続いており、特に幅広い業種の企業が多様な内容の株主優待を実施し、長期保有株主への追加優待を行う企業も増えています。株主にとっては優待商品を自由に選べる選択肢の幅や、ポイントの期限を延ばせる臨機応変さなどに価値を感じてプレミアム優待倶楽部に入会される方が多いです。

「プレミアム株主優待倶楽部」を活用して新規の株主を増やす戦略や、既存の株主との関係を強固なものにし、企業価値を最大限に高めることが、株主・投資家の期待に応えていくことに繋がるでしょう。

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