看護師の初任給はいくら？手取りやボーナスの給料事情を解説

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看護師の初任給は平均いくら？

始めに、看護師の初任給の平均と給与事情を確認してみましょう。

看護師の初任給は？

初任給とは「社会人として働いて初めてもらう給料」のことです。

日本看護協会の「2021年病院看護・外来看護実態調査」によると、新卒の看護師の初任給は学歴に応じて異なり、高卒＋3年課程新卒で約25.9万円、大卒で26.7千円です。

厚生労働省の「令和元年 賃金構造基本調査」によると、一般的な企業の大卒の初任給は21.0万円、短大卒の初任給は18.4万円、高卒の初任給は16.7万円なので、看護師の初任給はかなり高いと言えるでしょう。

看護師の初任給の推移は？

一般的にみると初任給は年々増加傾向にありますが、看護師はどうなのでしょうか？

日本看護協会の「2021年病院看護・外来看護実態調査」によると、2017年から2021年の5年間における看護師の初任給の推移は次の通りです。

結果から言うと、高卒＋3年課程・大卒ともに2021年の初任給は2017年よりも若干下がっています。

ただ、別データによると看護師の「基本給」は年々上がっています。ちなみに、「初任給＝基本給+諸手当」です。

原因は、主に夜勤手当などの各種手当の減少が考えられます。

このように、看護師の基本給はここ5年で上がっているが、初任給は少し下がっているのです。

看護師の給与事情

一般企業よりも初任給が高めな看護師ですが、実は働き続けるともっと多く給与を貰える可能性があります。

その理由は、次の通りです。

新卒看護師は、一定以上仕事を覚えないと夜勤に入れません。入職後の1ヶ月間は、研修を受けたり仕事を覚えたりするのが仕事になります。

また、就業規則において「仮採用期間」を定めている場合、家賃手当や家族手当などの一部手当が支給されないこともあります。

つまり、初任給は夜勤手当や一部手当がつかない状態での「基本給+諸手当」なので、数ヶ月すれば給与はもっと上がる可能性があるのです。

看護師の初任給の手取り額やボーナス

初任給は、社会保険料や所得税が控除される前の「総支給額」です。

そこで、ここでは実際に受け取る「手取り額」や「差し引かれる項目」、「基本給に加算される内訳」を確認します。

看護師の初任給の手取り

「初任給の手取り額」とは、「初任給（総支給額）から税金や社会保険料などを差し引いた後の、実際に受け取れる給与額」のことを言います。

大手転職情報サイト「doda」の早見表によると、初任給が高卒＋3年課程新卒で約25.9万円、大卒で26.7千円の場合、手取り平均は高卒＋3年課程新卒で約20.8万円、大卒で約21.6万円となっています。

一般的な企業の大卒の手取りは約16.8万円、短大卒の初任給は約15.0万円、高卒の初任給は約14.2万円なので、看護師は一般企業の新卒よりも手取りが多いと言えます。

看護師が初任給から差し引かれる項目

看護師が初任給から差し引かれる項目は職場によっても変わってきますが、一般的には次の通りです。

差し引かれる金額の割合は様々な条件によって変わってきますが、一般的な目安は「15～25%」と言われています。

なお、住民税は前年の所得に対して課税されるため、社会人1年目の新卒看護師は差し引かれることがありません。

また、職場によっては「給食代」や「駐車場代」、「互助会費」といったものを差し引かれることもあります。

基本給に加算される内訳

反対に、基本給に加算される項目は次の通りです。

資格手当や夜勤手当、通勤手当はほぼすべての医療機関である支給項目です。

一方、住宅手当や家族手当は支払うかも含めて職場が任意に決められるので、ないところもあります。

なお、時間外手当は残業が発生した場合に支払われます。

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看護師の初任給は病院の大きさに比例しやすい

「看護師の初任給は病院の大きさに比例しやすい」と言われていますが、果たして本当でしょうか？

統計データをもとに確認してみます。

病床規模別の看護師の初任給

日本看護協会の「2021年病院看護・外来看護実態調査」によると、病床規模別の看護師の初任給は、次の通りです。

確かに高卒＋3年課程新卒でも大卒でも、病床数が多い病院ほど初任給が高くなる傾向にあります。

特に500床以上の病院は99床以下よりも1.5万円も高く、年間に換算すると給与だけで18万円違うことになります。

ただ一方で、縦割りの傾向があったり全体を把握しづらかったりといった、大病院ならではのデメリットもあるようです。

看護師の職種別の初任給

次に、職種別の初任給も確認してみましょう。

【看護師】初任給の平均

日本看護協会の「2021年病院看護・外来看護実態調査」によると、看護師の初任給の平均は26.3万円です。

前述の通り、一般的な企業と比べて看護師の初任給はかなり高いと言えます。

ただし基本給が高いのではなく、資格手当や夜勤手当などの諸手当が高いことが要因なのは押さえておきましょう。

【准看護師】初任給の平均

価格ドットコムの「求人ボックス 給与ナビ」によると、准看護師の初任給の平均は約21万円です。

看護師と大きく差がありますが、引用元の違いも要因の一つです（公表されている統計データでは、職種別の初任給に関するデータがありません）。

「求人ボックス 給与ナビ」では、看護師の初任給の平均は約22万円とあり、「2021年病院看護・外来看護実態調査」と比べて約4万円違うため、比較には+4万円でみたほうがいいでしょう。

このように、「求人ボックス 給与ナビ」は低めに算出しているため単純に比較はできませんが、そもそも初任給は地域や規模、学歴などで差があるため、あくまで参考として捉えてください。

【助産師】初任給の平均

価格ドットコムの「求人ボックス 給与ナビ」によると、助産師の初任給の平均は約21万円です。

こちらも准看護師と同等の初任給になっていますが、やはり要因も同じで引用先の違いが大きいため、比較には+4万円でみたほうがいいでしょう。

なお、資格取得には看護師免許の他に助産師免許が必要なのですが、看護師の方が高い結果となっています。

【保健師】初任給の平均

価格ドットコムの「求人ボックス 給与ナビ」によると、准看護師の初任給の平均は約21万円です。

こちらも准看護師と同等の初任給になっていますが、やはり要因も同じで引用先の違いが大きいため、比較には+4万円でみたほうがいいでしょう。

なお、資格取得には看護師免許の他に保健師免許が必要なのですが、看護師の方が高い結果となっています。

看護師の地域別の初任給

看護師の初任給は、地域によっても差があります。

ここでは、地域別の初任給を確認してみます。

都道府県ごとの新卒看護師の初任給

都道府県ごとの新卒看護師の初任給は、次の通りです。

上の表をグラフにすると、次のようになります。（参考：2021年病院看護・外来看護実態調査）

傾向として、関東圏が最も高く、次いで近畿や関西圏となっています。

例えば、大卒で最も高い千葉県と最も低い宮崎県の差は63,000円にもなり、地域によって差が大きいことがわかります。

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看護師が初任給から年収アップさせる方法

看護師が初任給から年収をアップさせるには、いくつか方法があります。

夜勤手当を狙って年収アップを目指す

一番早いのは、「夜勤手当を狙う」ことです。

これまでも解説した通り、看護師の給与の中で大きな割合を占めるのが「夜勤手当」です。

夜勤手当の単価は職場によって異なりますが、一般的には10,000円/回前後と言われています。

日本看護協会公表の「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」では、「3交代制勤務で夜勤は月8回以内」という基準があるため、これを遵守すると月80,000円まで稼ぐことができます。

新卒の看護師はすぐに夜勤に入ることはできませんが、仕事の覚えが早ければその分早く夜勤に従事することができます。

看護師をしながら副業をする

看護師をしながら副業をするのも、年収アップが見込める方法です。

例えば、ワクチン接種のバイトやイベントナースなど、看護資格を持った人ならではの副業はたくさんあります。

ただし、看護師の副業はNGの職場もあり、注意が必要です。

詳しくは以下のページで解説していますので、参考にしてください。

転職で高収入を目指す

「看護師の給与が思ったよりも安い」、「夜勤が大変」と感じた場合には、思い切って転職するのも一つの方法です。

例えば、企業看護師は土日祝日が休みで専門的な手技も必要なく、大企業であれば給与が高くて福利厚生も手厚い傾向にあります。

また、新卒からの転職であっても転職を成功させることはでき、そのためには転職サイトや転職エージェントを利用するのがおすすめです。

看護師が初任給の良い就職先を見つける方法

最後に、看護師が初任給の良い就職先を見つける方法を確認します。

転職サイト・転職エージェントを利用する

転職サイトや転職エージェントは、転職先を探す人向けの無料の転職サポートサービスです。

各サイト・エージェントが抱えるたくさんの求人を検索できるだけでなく、条件にぴったりな求人案件をエージェントが紹介してくれます。

また、面接日時の調整や給与等の条件交渉、履歴書の書き方や面接の受け答えまでサポートしてくれるため、ぜひ利用したほうがいいサービスになっています。

なお、転職サイトや転職エージェントは「複数利用」がおすすめです。

各サイト・エージェントが持つ非公開案件まで見ることができ、独自のサポートをそれぞれ受けることができるからです。

気になった転職サイトや転職エージェントがある場合には、まずは利用登録をしてみましょう。

求人先の離職率を調べる

求人先の離職率は、転職サイト・転職エージェントに必ず確認するようにしましょう。

せっかく給料の高い職場に転職できたとしても、労働環境や人間関係が悪ければ、すぐに辞めたくなるかもしれないからです。

離職率は、その職場の働きやすさや条件の良さを映す鏡です。

確認することで、ブラックな職場を避けられるようになるでしょう。

希望条件を絞って求人先を探す

転職先を探す際には、希望条件を明確にしましょう。

例えば、「給料は手取りで〇〇万円はほしい」、「残業の少ない職場がいい」、「土日祝日は休みたい」などです。

はじめは思いつくものをすべて挙げてみて、そのあと優先順位をつけるとよいでしょう。

転職エージェントに希望を伝えれば、きっとあなたに一番合った求人を紹介してくれるはずです。

看護師の初任給まとめ

以上、看護師の初任給について解説しました。

看護師の初任給は一般企業よりも高めですが、夜勤手当などの諸手当があるからです。

初任給は「病院の規模」や「職種」、「地域」によって大きく異なりますので、高い初任給を望む場合にはこの点をしっかり押さえて就職先を探しましょう。

もし入職後に「給料が安い」、「夜勤がきつい」などと感じた場合には、転職を視野に入れてもいいかもしれません。

新卒看護師でも転職サイトや転職エージェントを複数利用すれば、条件に一番合った求人案件を紹介してくれます。

利用は無料なので、気になった転職サイトや転職エージェントがあったら、まずは利用登録をしてみましょう。